☆☆☆鉄道カラー/筆塗り塗装について

本社・商品企画部の牛久保です。
今回は「鉄道カラーの筆塗り塗装」について紹介します。

 

☆グリーンマックスの「鉄道カラー」はプラモデル用溶剤系アクリル樹脂塗料(ラッカー系)です。
乾燥が早く、塗装面も強固なので下地、基本塗装に向いています。

 

▲Nゲージの配管や手すりほどの小面積であれば、筆塗りで塗装しても問題ありませんが、
Nゲージの車体くらいの面積に筆塗りすると、乾燥が早いために筆やハケで塗った後につくスジ(これを刷毛目といいます。)が伸びてなだらかな面になる前に乾燥してしまうため、どうしても刷毛目が目立ってしまいます。

そこで、刷毛目が目立たないような筆塗りの作業手順を見ていきましょう。

■<1>塗料の攪拌(かくはん)

▲塗料には複数の顔料や溶剤が混ざっているため、
ビンの中で塗料の成分が分離・沈殿していることがあります。
※写真右はC-51ステンレスです。メタリック系の色は粒子が沈殿しやすいです。

 

▲ビン入りの塗料は、使用前に、中身をよくかき混ぜる(攪拌する)必要があります。
☆塗料は粘度が高いため、ビンを強く振ったくらいではきちんと混ざりませんので、
市販の攪拌棒を使ってビンの底に沈殿した塗料・顔料をよく攪拌します。

※白や黒、クリアーなど一見分離していないように見える色も、ツヤの度合いを決める添加剤が入っている場合があるため、よく混ぜないと規定のツヤにならない場合があります。

 

■<2>筆塗り作業上の注意

▲ビンに筆を直に差し込んで塗料に浸すのはNGです。

☆ビン入りの塗料はそのまま筆で塗るには粘度が高いため、
必ず、推奨されている「うすめ液」で薄めます。

▲ビンの塗料をそのまま筆塗した例

※刷毛目はっきり見えます。塗装面も厚ぼったく見えます。

 

▲筆塗り作業で使用する用具

写真手前から、攪拌棒、平筆、
写真後列左から、Mr.カラーうすめ液(GSIクレオス)、鉄道カラー、塗料皿

 

■<3>塗料の薄め(希釈)作業

▲塗料皿に4~5滴程度塗料を取り出し、うすめ液を足して薄めます。
比率は塗料:うすめ液=1:0.5~1程度です。

☆うすめ液で薄めることで、塗料の粘度が低くなり、塗膜が乾燥する前に塗装表面が伸びてなだらかになるため筆ムラ、刷毛目が生じにくくなります。

※作業中にうすめ液などの溶剤分が蒸発して粘度が高くなることがありますので、うすめ液を適量追加します。

 

■<4>筆塗り作業

▲まず、薄めた塗料を長手方向に塗ります。

☆筆は一定方向(写真の場合は左から右)に動かすようにして、反対側に筆をかえさないのがコツです。

☆薄めた塗料なので、写真のように黒色でも一回の塗りだけでは発色せず地色のグレーが透けて見えますが、数回重ねると本来の色に発色します。

 

▲次に、薄めた塗料を横方向に塗ります。

このように90度塗り方向を変えて重ね塗りすることで、塗りムラも目立ちにくくなります。
今回は長手方向2回、横方向に2回交互に塗り重ねています。

■塗装例1( 希釈せず筆塗りしたもの。)

▲希釈していない塗料だと、刷毛目が目立ち、配管部などに塗料が厚ぼったく溜まっているように見えます。

 

■塗装例2(適正な濃度に希釈して筆塗りしたもの。)

▲適正に希釈した塗料だと、塗った後の塗料の伸びのおかげで、刷毛目は目ただなくなり、配管部にも塗料が溜まるようなことは少ないのが分かります。

今回紹介した「筆塗り作業」のポイントは、

①塗料をよくかき混ぜる。
②塗料を適正に薄めて使用する。比率は塗料:うすめ液=1:0.5~1程度
③筆塗りは90度塗り方向を変えて交互に重ね塗りする。

・・・ということになります。
正しい作業で筆塗り塗装をお楽しみください。

 

■鉄道カラー <C-01>~<C-50>・・・各¥385-(税込価格) ・・・発売中
製品情報/鉄道カラー(C-01~20)

製品情報/ 鉄道カラー(C-21~42)

製品情報/鉄道カラー(C-43~50)

※<C-33>と<C-34>は鉄道カラー(ビン入り塗料)での製品設定はありません。
※<C-38>赤14号は、生産終了品です。
※<C-51>ステンレスは、2022年11月発売予定です。


※今回紹介した鉄道カラー(ビン入り塗料)は、グリーンマックス製品を取り扱っている各販売店様で発売中です。
※店頭在庫の有無は、各販売店様へお問い合わせ願います。

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