クロスポイント新製品、貫通幌(気動車用)

いつもGM通信をご覧いただき、誠にありがとうございます。
大山のGM本社より、片桐がお贈りします。

クロスポイントのABSプラスチック成型による細密表現貫通幌。
おかげさまで大変なご好評を頂戴しております。
これを受けまして、第2弾として「気動車用」を新たに
ラインナップいたします。


キハ21 25

さて「気動車用」と言えば幅の狭い、肩が新形国電用より丸っこい
「アレ」が浮かびますが、そういえばなぜ気動車の幌は幅が
狭いのでしょうか。

これには国鉄気動車の開発史とは切っても切れない関係がある様です。
この幌の図面は本製品のポスターにも記しました通り、1953年7月に
作図されています。
1953年と言えば昭和28年、量産型の液体式気動車キハ45000形シリーズが
世に現れ、現在まで続くディーゼルカー時代の幕開けになった年です。

この1年前から湘南顔の気動車として知られ、後に郵便荷物気動車に
改造された電気式気動車キハ44000系シリーズが試作され、房総地区と
北九州地区で運用開始、続いて同じ車体で本命の液体式(トルコン装備)
気動車キハ44500形が試作され、川越線にて運用されます。

これら試作車の運用結果を踏まえ、量産車キハ45000(→キハ10)へと
繋がっていく訳ですが、前述のとおり前面2枚窓の湘南顔では分割・併合や
細かな増解結に対応できず、キハ45000では前面に貫通扉を設えることに
なります。

キハ44000系も片運転台なので連結面にはもちろん貫通路や幌がついていた
わけで、この幌は客車と同様の寸法にて1枚幌としたものなのですが、
この従来からの貫通幌のサイズではおそらく運転台の設計に支障があり、
やむを得ず「気動車用」としてやや幅の狭い幌規格を新たに起こしたものと
思われます。


キハ48000(→キハ11)の正面。それでも窓のサイズはかなり小さめです。
写真:otorikk

実際、キハ44000系の妻面の写真(ピクトリアルのキハ10系特集にあります)
を見ますと、妻窓は80系電車の妻窓程度の横幅しかなく、さすがに無理が
ある様に思います。

結果としてそれが2023年の現在もなお、一部のJR形や私鉄の軽快気動車にも
引き継がれ、気動車開発史に必ず出てくる「涙ぐましいまでの車体軽量化」の
名残が今も見られる訳です。しかしながら、1953年の作図からわずか3年後の
1956年には拡幅車体のキハ55、更に4年後の1961年には車両限界ギリギリの
急行形気動車キハ56が登場し、わずか数年で「なぜ気動車の幌は幅が狭いのか
?」と首をひねる事態になってしまったのは、この幌にとっては皮肉なことと
思います(それだけ気動車の発展のスピードが凄まじかったということでも
あります)。


キハ26 17(四国最後のバス窓車だったようです)

キハ58 1017(別府-博多〇〇経由のサボが入ってますので急行由布あたりと思われます)

そんな訳でキハ10系と連結して運用されてきた国鉄の一般形・急行形気動車を
はじめ、その設計をそのまま受け継いだJR形の気動車や、国鉄設計に範を
取ってきた私鉄や3セクの軽快気動車に至るまで、よくよく見ればキハ10の
面影は、いまだ全国到る所にあると言えそうです。

長くなりましたが、本製品の使用範囲もそれだけ広いということになりましょう。

さて、ようやく製品について。
前作の新型国電様と同様に、1/150ファインスケールにて製品化。
正面にある8個の締金(※)や内側の手すり、上部のキセ布部形状、
側面の幌のたわみ具合もリアルに再現しています。
取付部においては車体側幌受上部にある水切を避けられる様に切り欠きを
設けてありますので、車体側のモールドは(1/150で作られていれば)
削除の必要がありません。
素材は前回同様、車体等と同じABSですから、塗装しても剥がれる心配は
ありません。
取付にはゴム系接着剤がよいでしょう。


GM製キハ141系に取り付けた本品(左)と製品付属の従来品(右)

※締金(しめがね)…実車において貫通幌と車体側の幌受を
固定するための金具。レバー状になっており、回すことで圧着する。

クロスポイント<16327>貫通幌パーツ 狭幅タイプB(気動車用)(6個入)
…¥1,100-(税込価格)

発売はグリーンマックス・ザ・ストアー各店のみにて、
4月下旬を予定しています。

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