懐かしい図による色差しの指南 ~その2 カギ外し線~

皆さんこんにちは、こんばんは!
GM営業企画の片桐がお送りします。

※土・日曜はグリーンマックス本社および修理係は休業いたしております。 電話でのお問い合わせには応じられませんのでご了承下さい。

前回に引き続き、戦前形国電の配管の色差しについてのお話です。

2と矢印を引きました細いラインは「カギ外し線」なんて呼ばれます。
使い道は圧縮空気圧の低い状態でパンタグラフを上昇させたい場合、
このカギ外し線から吊られた引き紐を下に引っ張ると
リンク機構を通じて繋がったラインが
パンタグラフ下にある「カギ(3参照)」を動作させ、
ばねの力でパンタグラフが勢いよく上がる仕組みです。

通常は圧縮空気の力を用いて、運転台にあるボタンを操作して
パンタグラフを上昇させますが、車両の留置状況によって
圧縮空気の圧力が足りないことがあるそうなのです。

上図に丸く示されました引き紐端部の形状が3種類、
ABCとありますが、Aは国鉄ほか標準的な形状、
Bは西武、Cは名鉄に見られるタイプ。
名鉄用のものは吊り手の輪っかを転用していると見られ、
模型的にもぜひ欲しいアイテムです。

(名鉄でよく見る白い輪っかと言えば、橋梁の前後に埋められた
古タイヤもレイアウト等で再現してみたいものの一つでありましょう)

イラストや製品のモールドではクランク部にある筈のリンク機構が
省略されていますから、イラストを用意してみました。


左図が横から見たところ、右図が上から見たところ。
どうして紐を引くとカギが外れるのかご理解いただけましたか?

これを真鍮線で引きなおすとなると、0.15mm線あたりで
ちまちまとした作業になりますが、リンク機構や途中に浮かんだ
絶縁碍子の表現法に作者の個性が出るところです。
しかしこれがきっかり出来上がると、その細密感と充実感たるや
ものすごいものになる事うけあいです。

近年のGM製品にあっては、モデラーの視点から
実物と同じレベルの深さになる様、彫りの深い
彫刻になっておりますので、敢えて引きなおす必要性は
低くなっているのではないかと思いますが、
旧国キットにあっては比較的あっさりしていたり、
省略されていたりする場合もありますので、
配管工作の入門には最適かと思います。

テーマがズレました。色差しのお話をしなければ。

細い線ですが、屋上部はネズミ色、碍子は白を差しましょう。
妻面に降りた部分は車や状態によって様々で、
車体色に塗ってしまったのもあれば白とも灰色ともつかないものもあり。
製作者のセンスが問われる箇所といえましょう。

続きます。

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